赤ちゃんにもノラの気持ちの変化が伝わったようです。
ノラの顔を見てにこにこ笑いだしさえしたのです。
「そうだ、おまえをいいところへ連れて行ってあげよう」女王は思いつきました。
「おまえたちトロルは、あの世はどこにあると信じているんだったかしらね」
「私たちが死ぬと、魂は高い空のかなたへ昇って行きます」ニーロが答えました。
「わかった」
女王はノラを膝に乗せると、天高く昇っていきました。
ノラが下をのぞくと、森が見る間に小さくなっていき、それにつれて、なつかしいとなりの森が視界に入ってきたので、胸がキュンとなりました。
人目に付かぬように新婚旅行に出かけたベルゲンの町も見えました。