抱きしめる 天心絵本 2021.06.25 2021.06.17 「いいかいノラ」ニーロはノラをまっすぐに見つめたまま、熱を込めて言いました。 「どれほど暗い夜であっても、必ず明ける。きっと朝が来る。そして、新しい一日が始まるんだよ」 「そして、そのときには、悲しみがしあわせの隠し味になるわ」女王が言い足しました。 「ぼくだって、おまえが嫁に行ってから、どんなに悲しい思いをしたか。でも、くじけずに、前を向いて生きてきたんだよ」 ノラははっとしたようすで、涙にぬれた顔をニーロに向けました。 前へ次へ 12345678