
「ええ。さいわいなことに、自然保護に力を入れようとしているらしいわ。そのために森の所有者たちが収入を失って困っているということなんだけど、そもそもの森の所有者といったら私たちなんですからね」
「そうですとも」
トロルは大きな鼻をうごめかしました。
「でも、その話はあとでゆっくり聞かせてあげるとして、今日誰か、子どもを連れた人間が森にやってはこなかったかい?」
「そのおたずねには、『はい』とお答えすべきでしょうか、それとも『いいえ』とお答えべきでしょうか」トロルはもったいぶった返事をしました。
「はい。たしかに来ました、若い女がひとり」
「でも、いいえ。なぜなら、女は子どもを連れてはいませんから」
「おや、そうなのかい?」
女王はしばらく考え込みました。
「まあ、とにかく、その女の人がいるところへ案内しておくれ」